変形性膝関節症
- 階段の昇り降りがつらい
- 膝に力が入らず、不安定な感覚
- 膝が腫れて、熱を持っている
- 長時間座っていると、膝が固まるように感じる
- 膝の内側が特に痛くなる
変形性膝関節症とは?|あさひろメディカルグループ
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、関節が正常に機能しなくなることで発生する慢性的な疾患です。膝関節は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の接合部で形成され、これらの骨の間には関節軟骨と呼ばれる滑らかなクッションが存在します。この軟骨が、膝の動きをスムーズにし、骨同士が直接擦れ合わないよう保護する役割を果たしています。
しかし、加齢や過剰な負荷によって軟骨が摩耗し始めると、骨同士が直接接触するようになり、膝の痛みや炎症が引き起こされます。初期段階では、軟骨が部分的に損傷する程度ですが、病気が進行すると軟骨が完全に失われ、骨の変形が顕著になります。この状態が変形性膝関節症です。
変形性膝関節症は、中高年の方に多く見られる病気ですが、若い世代でもスポーツや過剰な体重負荷、過去の膝の怪我などによって発症することがあります。特に、肥満やO脚、長期間の重労働を行う方はリスクが高いとされています。
症状としては、膝の痛みや腫れ、動かすときの違和感、さらには膝が変形することが挙げられます。初期段階では痛みが断続的に現れますが、進行すると安静時にも痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたすほどの痛みや機能制限が発生します。したがって、変形性膝関節症の早期発見と治療が重要です。
変形性膝関節症になる原因は?|あさひろメディカルグループ
変形性膝関節症の原因は多岐にわたりますが、主に以下の要因が影響しています。
1.加齢
変形性膝関節症の最も一般的な原因は加齢です。年齢を重ねるにつれて、関節軟骨が摩耗し、弾力性や滑らかさが失われていきます。この摩耗が進行すると、関節が正常に機能しなくなり、骨同士が直接擦れ合うことで痛みや炎症を引き起こします。
2.肥満
体重が増えることで膝にかかる負担が大きくなり、関節の摩耗が加速します。特に膝は、体重の数倍の力がかかるため、肥満は変形性膝関節症のリスクを大幅に高める要因となります。体重を減らすことで、膝への負担を軽減し、症状の進行を遅らせることが可能です。
3.遺伝
家族に変形性膝関節症を持つ方がいる場合、遺伝的要因が発症リスクを高めることが知られています。膝の形状や軟骨の強度、再生能力などが遺伝によって影響を受けるため、遺伝的要因がある場合は注意が必要です。
4.怪我や外傷
過去に膝の怪我や外傷を経験している場合、その後遺症として変形性膝関節症が発症することがあります。例えば、膝の捻挫や靭帯損傷、半月板損傷などの怪我が原因で関節が不安定になると、軟骨が摩耗しやすくなり、変形性膝関節症が進行する可能性が高まります。
5.過剰な運動や重労働
スポーツや仕事によって膝関節に過剰な負荷がかかる場合、軟骨が摩耗しやすくなります。特に、ランニングやジャンプを伴う運動や、重い物を運ぶ仕事を長期間続けている人は、変形性膝関節症のリスクが高くなります。
6.姿勢や歩き方の問題
不適切な姿勢や歩き方も、膝に不均一な負荷をかける原因となり、長期的には変形性膝関節症の発症に繋がることがあります。例えば、O脚やX脚のような膝の形状の問題があると、膝関節にかかる力が偏り、軟骨が摩耗しやすくなります。
これらの要因が複合的に絡み合い、変形性膝関節症のリスクを高めます。膝への負担を軽減するためには、日常生活での予防が重要となります。
変形性膝関節症を放置・悪化するとどうなるの?|あさひろメディカルグループ
変形性膝関節症を放置すると、症状は徐々に進行し、さまざまな深刻な問題が発生する可能性があります。初期の段階では軽度の痛みや不快感が主な症状ですが、病気が進行すると、日常生活に大きな影響を与えるほどの症状に発展することがあります。
1.痛みの増強
初期段階では、動作時や長時間の使用後に痛みが現れることが一般的です。しかし、放置しておくと、痛みは次第に持続的になり、日常的な動作だけでなく、安静にしている時でも痛みが生じるようになります。特に夜間の痛みが強くなることが多く、睡眠障害を引き起こすこともあります。
2.関節の変形
変形性膝関節症が進行すると、関節自体が変形し始めます。O脚やX脚のように、膝の形状が変わることがあります。これにより、歩行がさらに不安定になり、転倒のリスクが高まるだけでなく、他の関節や筋肉に余計な負担がかかり、さらなる症状の悪化を引き起こすことがあります。
3.可動域の制限
膝関節の変形や軟骨の損傷が進むと、関節の可動域が徐々に制限され、膝を曲げたり伸ばしたりする動作が困難になります。これにより、立ち上がったり、階段を昇り降りしたりする際に大きな不便を感じるようになります。最終的には、日常生活での基本的な動作さえも難しくなることがあります。
4.筋力低下
膝の痛みが原因で活動量が減少すると、膝周りの筋肉が弱くなります。特に、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)は膝を安定させる役割を果たしているため、この筋肉が弱まることで膝への負担がさらに増し、症状が悪化する悪循環に陥ることがあります。
5.その他の健康問題への影響
変形性膝関節症が悪化することで、膝以外の部位にも影響を及ぼす可能性があります。例えば、膝の痛みをかばうために姿勢が悪くなり、腰や股関節、足首にも痛みが生じることがあります。また、活動制限によって体重が増加し、さらに膝への負担が増えるという悪循環も起こりえます。
6.生活の質の低下
変形性膝関節症を放置することで、単に痛みや動作制限が悪化するだけでなく、生活の質そのものが大きく低下します。外出や運動が億劫になり、社会的な活動が減少することで、精神的なストレスや鬱の症状を引き起こすこともあります。
以上のように、変形性膝関節症は放置することで症状が悪化し、日常生活や健康に深刻な影響を与える可能性があります。早期の診断と治療が重要であり、痛みや不快感を感じたら早めに専門家に相談することをお勧めします。
変形性膝関節症の治療方法・セルフケアの方法は?|あさひろメディカルグループ
変形性膝関節症の治療は、症状の進行度や個々の患者の状態に応じてさまざまな方法が選択されます。ここでは、保存療法、手術療法、そして日常的に行えるセルフケアについて解説します。
保存療法
変形性膝関節症の初期段階や進行が遅い場合は、保存療法が有効です。保存療法は、膝の痛みや炎症を抑え、関節の機能を維持するための治療法で、手術を避けたい患者にとって重要な選択肢となります。
・手技療法
柔道整復師が行う筋膜リリースが効果的です。膝周囲の筋肉をほぐすことにより、膝への負担を軽減し、膝の安定性を向上させることができます。特に大腿四頭筋やハムストリングスなどの筋肉をほぐすすることで、膝をサポートする効果が期待できます。また、関節の可動域を保つためのストレッチも重要です。
・薬物療法
痛みや炎症を和らげるために、鎮痛剤や消炎剤が処方されます。一般的には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用し、痛みと炎症を抑えることが多いです。また、ヒアルロン酸注射も行われることがあります。ヒアルロン酸は関節の潤滑剤として働き、膝の動きをスムーズにする効果があります。
・装具療法
膝のサポーターやインソールを使用することで、関節への負担を軽減し、痛みを和らげることができます。特にサポーターは、膝の安定性を高め、関節の変形を予防する効果が期待されます。
手術療法
保存療法が効果を示さず、症状が進行している場合には、手術療法が検討されます。
・関節鏡視下手術
膝関節の内部を小さなカメラで確認し、損傷した軟骨や骨片を取り除く手術です。比較的侵襲が少なく、早期回復が期待できるため、変形が軽度な場合に適用されます。
・人工関節置換術
変形が進行し、関節の機能が著しく低下している場合、人工関節に置き換える手術が行われます。これは、摩耗した関節部分を人工の関節で置き換えることで、痛みを軽減し、機能を回復させる方法です。手術後のリハビリが必要ですが、多くの患者様が日常生活に戻ることができます。
セルフケア
治療と並行して、自宅でできるセルフケアも重要です。以下は、日常生活で実践できるセルフケアの方法です。
・適度な運動
軽いウォーキングや水泳など、膝に負担をかけない有酸素運動を取り入れることで、筋肉を維持し、関節の動きをスムーズにすることができます。ただし、膝に過剰な負担がかかる激しい運動は避けるべきです。
・体重管理
肥満は膝に大きな負担をかけるため、適切な体重を維持することが大切です。バランスの取れた食事と適度な運動で、体重をコントロールすることで、症状の進行を抑えることができます。
・温熱療法
膝を温めることで、血行が促進され、痛みやこわばりが和らぎます。お風呂に入る際や温湿布を利用して膝を温めると良いでしょう。
・冷却療法
急性の炎症や痛みが強い場合には、アイスパックなどで膝を冷やすことで、炎症を抑えることができます。
セルフケアは、日々の習慣として取り入れることで、膝関節の健康を維持し、変形性膝関節症の進行を予防する上で大きな効果を発揮します。
変形性膝関節症が治るまでの期間の目安は?|あさひろメディカルグループ
変形性膝関節症の治療期間は、症状の進行度や治療方法、患者のライフスタイルや体調などに大きく左右されます。治療の進行状況に応じて回復までの期間は異なりますが、一般的な目安を紹介します。
1.保存療法の回復期間
変形性膝関節症の初期段階で、保存療法が行われる場合、症状の緩和や機能の回復には数ヶ月から半年程度かかることが一般的です。保存療法には、手技療法や運動療法、薬物療法、サポーターの使用などが含まれますが、これらの治療を継続的に行うことで、膝の痛みが軽減し、日常生活に支障をきたさない程度まで回復することが期待されます。
具体的には、手技療法や運動療法を毎日実践することで、筋力や膝の安定性が向上し、2〜3ヶ月ほどで痛みが和らぐ場合もあります。ただし、完全に回復するまでには、最低でも3〜6ヶ月はかかることが多いです。体重管理やセルフケアの徹底も、治療効果を高めるための重要な要素です。
2.手術療法の回復期間
手術療法が必要な場合は、回復までの期間がもう少し長くなることがあります。
・関節鏡視下手術
この手術は比較的軽度の変形性膝関節症に適用され、侵襲が少ないため、術後1〜3ヶ月で日常生活に戻れるケースが多いです。ただし、手術後は理学療法が必要であり、膝関節の機能を完全に取り戻すには、数ヶ月にわたるリハビリが不可欠です。
・人工関節置換術
人工関節置換術は、変形が進行している場合に行われるため、回復までの期間はもう少し長くなります。一般的には、手術後6ヶ月〜1年程度で、日常生活の大部分が再開できるようになります。リハビリテーションを適切に行い、膝の機能を回復させるためには、術後の運動や筋力トレーニングが重要です。初期のリハビリでは、歩行補助具の使用が必要となることが多いですが、徐々に膝の安定性を取り戻すことができます。
3.継続的なケアの必要性
変形性膝関節症は、完全に治癒することが難しい慢性疾患であるため、治療を終えた後も症状が再発しないように注意を払う必要があります。治療が完了した後も、膝周りの筋力トレーニングやストレッチを続けることが重要です。また、体重管理や姿勢の改善、適度な運動を日常生活に取り入れることで、症状の再発を予防することができます。
4.個人差による回復期間の変動
回復期間は、患者の年齢、体力、膝の状態、治療の継続状況などによって異なるため、具体的な期間を一概に示すことはできません。治療を早期に開始し、理学療法やセルフケアを適切に行うことで、回復が早まることが期待されます。反対に、症状が進行している場合や治療を中断してしまうと、回復期間が長引くことがあります。
いずれにせよ、治療の効果が出るまでには時間がかかるため、焦らず、計画的に治療とケアを進めることが重要です。専門家の指導を仰ぎながら、自分の体と向き合い、根気強く治療に取り組んでいきましょう。
変形性膝関節症治療3つのポイント|あさひろメディカルグループ
POINT①構造の改善
あさひろメディカルグループでは、筋膜リリース・背骨骨盤矯正を行うことで身体の構造を改善します。
筋膜リリースは、筋肉を包む筋膜の緊張をほぐし血流と柔軟性を高めることで痛みやこりを和らげる効果があります。
背骨骨盤矯正は、歪んだ骨格を正しい位置に戻し全身のバランスを整える効果があります。
これによって姿勢が改善され、変形性膝関節症や付随する症状が軽減されやすい状態を作ります。
POINT②機能の改善
あさひろメディカルグループでは、運動療法(エクササイズ・ストレッチ)を行うことで身体の機能を改善します。
矯正で一時的に姿勢が整っても、すぐに元に戻ってしまったという経験はないでしょうか?
当院の運動療法は、国家資格者によるエクササイズやストレッチ指導を通じて筋力や柔軟性を高める治療法です。
これにより日常生活での動きがスムーズになり、筋膜リリース・背骨骨盤矯正で整えた身体の構造(姿勢)を保ちます。
個々の症状や体力に合わせたプログラムを提供するため、どなたでも無理なく取り組むことができます。
POINT③神経の改善
あさひろメディカルグループでは、自律神経・末梢神経の改善を目的とした鍼灸施術を行っています。
自律神経のバランスを整えることで、ストレスや疲労、不眠などの症状を軽減し、心身のリラクゼーションを促進します。
末梢神経に対する施術は、血流を改善し、神経の働きを活性化させることで変形性膝関節症や付随する症状を和らげます。
患者様の状態に合わせた多様な施術を組み合わせることで、全身の健康をサポートします。
あさひろメディカルグループの施術の流れ
受付で問診表をお受け取り下さい。
問診表の内容からカウンセリングを行い、今のお身体の状態を確認します。
カウンセリングをもとに、今のお身体の状態を見ていきます。
検査結果をもとに、痛みを取り、お悩みを解消します。
ご自身でもできるストレッチの方法などをお伝えいたします。
施術は終了です。お気を付けてお帰り下さい!